みけうどん

猫とうどんが好き。

駅馬車(ジョン・フォード/1939)

「古典映画を観ようシリーズ その2」はジョン・フォード監督で『駅馬車』。

同じくジョン・ウェイン主演の『エル・ドラドハワード・ホークス/1966)』を昔観て、正直なところテンポが微妙な印象で、ああ昔の西部劇って今観るとしんどいのかなあと思ってたんですが、果たして『駅馬車』は、むっちゃくちゃ面白かったです。てっきり『エル・ドラド』の方が古いのかと思ったんですが、逆だった。『エル・ドラド』の方が新しい。そーいえば確かに『エル・ドラド』のジョン・ウェインはちょっとぽっちゃりしてたような…。

さて、ということで『駅馬車』。
スピード感のある展開、迫力のアクションを支えるカメラワークの面白さは勿論なんですが、駅馬車に乗り合わせた人たちのキャラクター描写が素晴らしい。
いわゆる「キャラが立ってる」ってやつですかね。
駅馬車』というタイトルの通り、もちろんこれはある地点から次の地点へ向かい、道々いろんなハプニングにであうロードムービーなんだけど、同時に駅馬車という狭い空間のなかの密室劇でもある。

駅馬車に乗り合わせるメンバーは全員で9人。
脱獄囚で親兄弟の復習を誓っているリンゴ(ジョン・ウェイン)。
町から追放された娼婦だけど実は心優しいダラス(クレア・トレヴァー)。
酒でグデグデ…でもいざって時は働く医者ブーン(トーマス・ミッチェル)。
そのブーンに酒をたかられる酒商人で小市民のピーコック(ドナルド・ミーク)。
軍隊にいる夫に会いに行くちょいお高い感じのルーシー(ルイーズ・プラット)。
ルーシーの護衛をしたいと同乗してきた賭博師ハットフィールド(ジョン・キャラダイン)。
銀行の金を持ち逃げして町を出る銀行家ゲートウッド(バートン・チャーチル)。
馬車を御するおとぼけキャラのバック(アンディ・ディバイン)。
以上の面々を俯瞰する保安官ウィルコック(ジョージ・バンクロフト)。

小さなエピソードの積み重ねでキャラと彼らの関係性を描いていくんですが、それが上手くて小気味よい。構成うまいなあ!としみじみ思います。
アパッチや軍隊の描かれ方については時代的なところもあり、かなり記号化しているので今観ると「いやちょっと」って感じですし、最後の決闘も「ん?」って感じもするんですが、人物の造形と話の組み立て方は鮮やかで、よくできるなーと感心します。

個人的に気になるのはダラス。迫力の美人さん。
優しくて親切、かつ勇敢な人なのに、折に触れて皆に冷たくあしらわれちゃうのが切ない。差別って、このダラスが町から追放された時のように罵られるのもつらいけど、例えば微笑んでも無視されるとか、食事の席をさりげなく離されるとか、ちょっとした扱いがキツいんじゃなかろうか。
でもそこでリンゴがね!ちゃんと対等に扱ってくれるのよ!そりゃ惚れるわ。
(ちなみにダラスの職業はwikiとかみると娼婦ってことになってて鵜呑みにしてたんですが、劇中にはそんな明確な説明はなかったような……)

なにはともあれ、映画って「新しいからいい」「古いから悪い」ってもんじゃないと思った一本でした。当たり前ですけどね。

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